春寒

TSUBONIWA STORY 長崎坪庭物語 たたみ一畳ほどの、人を幸せにする庭

春寒

仕事帰りの途中によく空を見上げます。何となく見つけにくくなったオリオン座の位置で去りゆく冬を感じます。花冷えするとは言え、もう春が近くまで来ているんだなあ…としみじみ思います。3月5日~19日は二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。冬ごもりしていた虫たちが土の中から出てくる頃という意味で、啓蟄の次は昼夜の長さがほぼ同じになる春分がやってきます。

今月の坪庭は、春風がまだ肌寒く感じる季節に花が咲き出したユキヤナギ(雪柳)と、暖かな日差しを受けて咲くフリージアが春の兆しを見せてくれるお庭となっております。ユキヤナギは、枝垂れる枝が柳に似ていて、その長くしなやかな枝先に雪のように真っ白な小花を咲かせます。ユキヤナギは名前から冬の花だと思われがちですが、実は春のお花。枝いっぱいに咲く白い小花は優雅でとても美しいです。また、お庭でひときわ目を引く黄色のフリージアは、水仙みたいな細長い葉を何枚も伸ばし、小さなラッパのような花びらをしています。

店内には黄色の他に薄紫色のフリージアも入っていますが、フローラルで甘い香りがあることから、香雪蘭(こうせつらん)という別名を持っています。良い香りのお花はついつい匂いを確かめたくなってしまいます。

このほかにも、まとまってたくさん咲く白いお花はアレナリアです。花びらは梅のようで、その一つ一つに薄い筋が入っています。葉が暗めの緑色なので可愛らしいのにどことなく落ち着いた和の雰囲気があります。心が和む、ほんのり明るくなる、そんな可憐なお花です。春先は、あたたかい日と冷え込む日が交互にやってきて、時に春疾風(はるはやて)のような強い風が吹いたりします。しかし、あたたかい風に乗ってどこからともなくやってくる花の甘い香りや草木が芽吹く匂いを感じることがあります。世の中が大変な状況であっても、少しずつ季節は巡ってるんだと実感します。

フリージア(黄色)の花言葉「無邪気」
フリージア(紫色)の花言葉「あこがれ」
ユキヤナギの花言葉「愛嬌」「愛らしさ」「賢明」
アレナリアの花言葉「可憐な」「愛らしい」「気が利く」